登校初日

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登校初日

黒い大門。 その奥に聳え立つ、これまた黒い校舎。 夜だと見えないと思う。 「来れた……」 2つの島の、片方の島を迷い続けて、遭難3日目。 ようやく着いた。 「私立翼翔学園……そんなに、飛びたい?」 名前にツッコミしてみた。 独り言。疲れた。 ポケットから携帯機器を取り出し、モニターを映し出す。 『ようこそ、私立翼翔学園へ。 我が校は、入学から卒業までの間、生徒個人個人の身体能力強化と規則正しい生活を教育方針とした、簡潔に述べると【模擬軍事学校】となります。 一般教養は勿論のこと、生徒同士の戦闘訓練を授業として設けております。 生徒たちは互いに切磋琢磨しあい、時には協力し、時には争うことでより高度な精神を持つ社会人としての自律していくことでしょう。 尚、我が校は男児専用となっております。女児の方は、反対の島にあります、翼翔女学院へ足を運ばれてみて下さいませ。 それでは、良き学園生活を────翼翔学園理事長 加賀惣司』 ……何度読んでも意味がわからない。俺は頭が悪いから。 縁も所縁もない場所から、急にメールが届いたかと思えば、招待状。 「模擬軍事学校……?」 何で、そんなところから? 日本にそんなもの必要なの? だって、自衛隊とかあるのに。 でも、学校にタダで入れるって聞いた、父さんと母さんは喜んで俺を送り出した。 軍事とかそう言うのは、体が鍛えられて良いとか言ってた。 年に2回しか通ってない船便に乗って、島に着いたのは良いんだけど。 俺は類い稀なる迷子の才能の持ち主なので、遭難した。 森の中をいつの間にか歩いてて、途中、変な果物とかあったから食べたらお腹壊した。 一人でそんなサバイバルをして、着いたのは良いけどもう疲れた。 俺はその門に寄りかかって座り、空を見上げる。 天気良い、と言いたかったのに曇天。 肩にかけてあったヘッドホンを耳にかけ、音楽を流す。 3日も遅れちゃったけど、ちょっとくらい寝ても良いよね。 疲れたから。 そう自己解決して、目を瞑る。 おやすみなさい。
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