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「おはよう、真司。お仕事お疲れ様。」
暢気な馨が、にこやかに労う。
すると真司は、可愛らしい顔を不機嫌そうに歪めて、ふん!と鼻を鳴らした。
「…お仕事お疲れ様?馬鹿言わないでよ。本当の『お仕事』は、これからなんだよ?もしかして、まだ寝惚けているの、馨??」
少女の様な美貌で、辛辣に言い放つ真司に、馨は顔を引き攣らせて愛想笑いを返した。
可愛らしい容貌に反して、凄むと怖い真司。
久し振りの『依頼』に対する意気込みも、人一倍である。
「この仕事、断らないでね?」
「え…??」
「依頼者がどんなに卑劣だろうが我が儘だろうが、絶対に断らないでね!?」
こめかみに青筋を湛える真司は、有無を言わさぬ迫力で馨に詰め寄った。
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