【壱】

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「「「お帰りなさいませ。雹堊様。」」」 スーツを来た男等が、口々に挨拶を述べる。 「親父は?」 「旦那様は、奥でお待ちしております。椶應様もいらしております。」 「兄上もか?」 驚いたな。 ただ事じゃあなさそうだ。 長く続く縁側を歩き、 大きな襖の前に立つ。 「────裟霙様、只今戻りました。雹堊で御座います。」 「─入れ。」 その言葉で、床に膝をつき、襖を引いた。
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