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「バイト出来なくなって残念ね」
「いや、また隠れてやるし」
「お金、欲しいの?」
「バイク欲しくて貯めてる」
他愛もない会話。だがその会話は小森への質問ばかりで、小森は徐々に奇妙さを感じていく。そして会話の後半、最後の質問に小森の目は点になった。
「百万でバイトしない?」と言った咲崎の口調は淡々として、だがはっきりと小森の耳に届いた。
同じクラスで同じ十七の女子に雇われるバイトなんてものに、馬鹿な小森は面白そうだと指についたポテトチップスも塩を舐め、引き受けてしまうのは数分後の事だった。
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