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「小森君は私としたいの?」
質問は質問で返され、小森は火の様に熱くなった顔を背けるしかない。
「そうね。逆援助交際みたいよね。愛人関係とでも言いましょうか」
優等生な女子から出てくる言葉ではないと小森は思った。そして咲崎は一呼吸置くと、いつもの口調でこう言った。
「貴方の事好きよ」と、小森は告白の常套文句に耳を疑う。「小森君に私の事知ってほしかったの。ただ、それだけなの」と言い残し、咲崎は先に帰ってしまった。
彼女がまるでわからない。悲しい顔で言うのは何故だ。小森は胸が熱くなるのと同時に頭が痛くなるほど咲崎の事を考えた。
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