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「あなた、そんなことも知らずに私を暗殺しに来たの?」
「…だから違うと言っている。そして恐らく俺の素性を知る者はこの世界には誰も居ない」
「は?どういうことよ?」
「どうやら、俺はあなた方とは違う時代の人間だ。未来から飛ばされて来たようだな」
「「「はぁ?」」」
俺の言葉に信長、長秀、勝家の三人が一様に「頭が可哀そうな人かしら」と言いたげな顔をした。かなりイラッとしたがここは我慢だ。話が進まない。それよりも、どうやってこいつらに信じさせるか…
「…姫様…この者は嘘はついていません…」
俺の意識を奪った娘がそう言ってくれる。予想外のところから援護射撃が来たな。そういえばこの娘の名前は何というのだろうか。
「一益が言うなら間違いないんでしょうけど…未来から…ねぇ…。こいつが嘘だと思ってないだけで、ただ信じ込んでいる、あるいはそう信じ込まされている、もしくはただ単に頭がパー…。こういう可能性も考えられるけど?」
一益…というと滝川一益だな。元忍びと言うのは本当だったか。こんな所で歴史教師のうんちくが役に立つとは。まあ、今はいい。それより頭がパー発言だ。美少女だからと何でも許されると思うなよ。…しかしここは我慢だ…!
「チッ……まあ、そうなるのも無理は無いだろうが…そうだな…何か証拠を見せよう。今の年号と年は?」
「天文20年4月18日だ。」
ふむ…4月の下旬か…
「信長さん。美濃のマムシ…斉藤道三から会談の申し出があったのではないか?」
「は?何をバカな…」
「会談の場所は正徳寺だ。まだ来ていなくとも、いずれ…」
「姫様ーー!」
俺がそこまで言ったとき、袴を着たおっさんが部屋に入ってきた。
あ、美形ばっかじゃ無いんだ
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