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「立てコラ!こんなんでへばってんじゃねぇぞ!」
「うるせぇんだよ!クソジジイ!さっさと死にやがれ!」
「おめぇより先にくたばるかよ!このクソガキィ!」
「それが父親のセリフかァァァ!!」
みなさんどうも。俺は賀上雹也。18歳。現在親子喧嘩中です。
「は~い。そこまで~」
「「うぼぇあ!?」」
そして俺と一緒に床に顔面を埋めたのは親父の梗也。48歳。
仲良く顔面で床貫通である。
「神聖な道場は喧嘩する所じゃないわよ~。駄目よ~?」
そして俺と親父をぶん殴ったのは我が母上、遙。45歳。特徴「常に笑顔」
というか、その神聖な道場の床を破壊するのはいいんですか、母上。
「か、母さん…いきなり殴らないでよ…」
「は、遙さん?痛いんだけど?」
「そんなことより梗也さん?なんで私の可愛い雹也ちゃんに殺気を向けているのかしら?」
「ま、待て遙さん!遙さんだって雹也を殴ってるじゃないか!?」
「私はいいの。愛があるから」
「俺だっt「問答無用!」ギャァァァ!!」
愛があっても痛いもんは痛いんだが。
*
「いちち…まだ痛てぇよあの馬鹿力め…」
あの後俺は、母さんにボコられる父さんを尻目に朝食をすませると、学校に向かった。我が家は結構でかい道場を経営…と言って良いのだろうか。まあとにかくうちは道場なのだが、これがその筋では結構有名な道場なのである。
どんな筋だ!と笑われそうだが、警察だとか傭兵だとか…とにかく、そういう筋だ。 そして俺はその家業を継ぐことに何の抵抗もない。つまり就職先が決まっているのである。そんなわけで学校に行くやる気が出ない。そういった意味では果てしなくだるい。
しかし俺にも友人はいる。幼馴染が一人。これがなかなかお節介な奴で、俺が学校に来ないと家まで迎えに来る。そこまではいい。しかし
幼馴染は女なのだ!
高校三年生にもなって家まで幼馴染の女の子が迎えに来る?心底恥ずかしい。そしてそんな事になればうちの親父は確実におちょくってくる。そして母さんは何も言わず、笑顔で赤飯を炊き、その夕食に本人を呼び、次の日には幼馴染の親に挨拶に行っていることだろう。そんなことは承認できない。
だから学校へ大人しく行くしかないのだ。
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