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「大丈夫よ。怪我は無いわ。それより侵入者よ!」
「なッ…姫様の厠に侵入者とは…っく!許せん!」
「警備隊!直ちに侵入者を捕えなさい!」
ふむ。今の話を聞く限り、俺が出たのは厠…トイレか。そしてあの美少女は姫様。俺はそのトイレを覗こうとした変態ってところか。相手は今のところ姫様を含めて三人。男勝りそうな声に、叫んではいるが冷静そうな声。どちらも女だ。
「だがこのまま待っていれば警備隊とやらが到着するか…」
普通に考えれば警備隊を相手にするより女三人を相手にして、人質でも取って隙を見て逃げる方が楽だが。まあ、わざわざ自分から敵対する事も無いだろう。ここは穏便に話をして…
「警備隊!侵入者を見つけ次第斬ってしまえ!」
おおっと…血の気が多いな。やっぱり人質作戦で行くか?いや、それよりばれないように逃げますか…
「む!まだそこに気配があるな!曲者めぇ!!」
穴が開いた壁の向こうからデカイ槍…いや戟が飛んできた。
「うおッ!?」
すんでの所でかわしたが、あぶねぇ…こんな重そうなもんをあの声の主が投げたと思うと信じられん。しかも気配だと?あんな若い女がそんな事まで察知できるのか?
まあいずれにせよ。
「はやく逃げた方がよさそうだな…ッ!殺気!」
「…逃がさない…」
俺が殺気を感じて振り返った瞬間に首筋に衝撃を感じた
「…マジ…かよ…」
恐らく首に一撃もらった。首の後ろを叩いて脳震盪を起こすなんて冗談じゃない程の高等技術だ。薄れていく意識の中、俺が見たのは眠そうな目をした美幼女だった 。
また若い女。どんな妖怪ランドだここは。
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