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「“アッハッハッハ!”」
宿の中に高らかな笑い声が響いた。
通信用水晶球の中から響き渡る姉の笑い声にラウドは顔を押さえ、思わず項垂れる。セルザは涙を滲ませながら未だに笑い続けていた。
やや遠くでコーヒーを入れているフィリアまで呆れ顔になる。ルースは特に気にせず、この町の特産物だという何やら固い大きなグミを噛んでいた。
「笑うなっ!」
「“だーって、襲われて雪に埋まったなんてアッハッハッハ!”」
「人の気も知らねぇで……」
「“はー、アンタも大変ねえ。この分だと、まだまだ賞金首説は消えそうもないわね”」
窓の外には粉雪が微かに降り注いでいる。
この北の地方は今の季節、寒くて寒くて上着無しでは過ごせない。早くフィリアが入れてくれる温かいコーヒーが待ち遠しかった。
「……仕方ねぇさ。もう賞金首にされて六年だし、今さら取り消されたって直ぐに話が消える訳ねぇよ」
「“そうねえ、あの騒動からもう一ヶ月……フォースもようやく立て直し出来たけど、まだまだ落ち着かないわね。ウォッカムも色んな町に出向いて頑張ってるみたいだけど”」
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