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「もうやめろよッ!! アンタだって人間じゃないかッ!!」
クルスは恐怖で震える唇を必死に大きく動かし、から回る声など気にせず叫んだ。
しかし、ガルイースから返されたのは冷ややかな眼差し。
「……ああそうさ、俺はどう足掻いても人間だ」
地雷を踏んだとも言えるその怒りに満ちた表情には、全てので生き物に畏怖を感じさせる力があった。
何もかもを呑み込むような碧さ。
しかし、何もかもを拒絶する碧。
その瞳は大きく見開かれる。
「だから分かるんだッ!! 人間の汚さがッ、醜さがッ、その不必要性がッ!!」
魔力が一気に開放されたと思うと、一瞬にして当たり一面に霜が降りた。そして、ガルイースは迷わず矢を放つ。
矢は空気を切り裂き、切り裂いた空気は冷気を帯びて白く輝いた。
その矢に螺旋状に絡まる粒子で作られた龍は大きな牙を剥き出す。
──これを食らえば間違いなく意識は飛ぶ。とはいえ、避ける余力と時間はもうなかった。
ラウド達は強く目を瞑り、これから来る衝撃に耐える準備をする。
しかし、空気が裂かれる音が大きくなったその時だった。
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