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時おり、映像画面の枠外から伸びて来る腕は恐らくセルザの部隊の人間、つまりはフィリアの同僚だろう。
この様子だと、早めにセルザを解放させた方が同僚達の為かもしれない。
「少将、長くなってきたようなのでそろそろ」
「“うーん、まあそうね。じゃあまた連絡するわ、バイバーイ”」
プツンと切れた映像を未だに見つめ、ラウドは頬杖をついた。コーヒーの湯気が視界に入ってくる。
外は銀世界だった。
フィリアはコーヒーを片手に窓に寄り、ガラス越しに雪景色が広がる町スタンヴィッチェをじっと眺める。
「こう寒くては、外に出たいとも思わんな」
ルースはベッドに飛び乗るとゴロンと大の字になって転がった。暖炉があるこの宿部屋は何とも暖かい。
しかし、外を歩く多くの人々がコートや手袋、帽子を身に付けているという状況を見れば、外がどれほど寒いのか安易に想像がついた。
建物は赤レンガ造りのものが多く窺える。
戦争当時、この町は半壊した。今も尚、町の北は立ち入り禁止区域となっている。人の血と肉で肥えた大地には、皮肉にも身元不明者達の共同墓石が立てられていた。
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