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飛竜「殺サレシウニナルカラ、身ヲ守ルダケ。」
トリシア「そんなの、そっちの…!」
理屈でしょ、と言いかけて、トリシアは口をつぐんだ。
自分の方も、人間の理屈であることに気がついたのだ。
トリシア「……ねえ。わたしは、あなたを傷つけないよ。」
飛竜「ホントカ?」
トリシア「うん。けど、ここは街が近いから、人間がたくさんいるの。
中には、あなたを傷つけようとする人もいるかも。」
飛竜「……ドウシテ?」
トリシア「あなたと同じ。こわいから。」
しばらくして―。
飛竜「ワカッタ。スグニ、ココカラ離レル。」
トリシア「それがいいよ。」うなずく。
飛竜 「話ガデキテ、ヨカッタ。
人間ノ気持チ、スコシ分カッタ。」
トリシア「こっちも飛竜の気持ちがわかったから、お互い様。」
飛竜 「今度ハ、モット話シタイネ。」
そう言うと、飛竜は飛び去って行った。
トリシア「うん。……それじゃ、ね。」
トリシア「あーーっ!忘れてたけど、ここ、どこ?!!」
迷子のトリシアを残して。
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