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トリシア「ねえ、この子お礼がしたいって!」
キャスリーン「おやまあ?」疑いの視線を向けるキャスリーン。
トリシア「何よ、その目!」
だが、自信がないのは確かだ。
キャスリーン「以前から頭のネジの外れた子だとは思ってましたけど…。とうとう…。」
ハンカツで涙を拭くふりをするキャスリーン。
トリシア「いいから!来れば分かるわよ」
強引に王女の手を引き、飛んでいく小妖精の後を追うトリシア。
しばらくすると二人は泉の湧き出ている場所に出た。
みずみずしい緑の葉に、色とりどりの花。
リスやウサギたちが水際で遊び、
小鳥や妖精たちが小さな滝から立ちあがる霧に羽を休めている。
キャスリーン「………きれいなこと。」
さすがのキャスリーンもため息が出た。
泉には・・・アゲハチョウやオオムラサキ、トンボなどのそれぞれ違う羽をもった妖精たちが楽器を構えている。
トリシア「音楽を聴かせてくれるの?」
小妖精「ウン」
小妖精「初メテノ、人間ノ友達ダカラ。」
その演奏は素朴で、とても美しい、今まで聴いたことのない音色だった。
トリシア「ほら、これでも信じないの?」
キャスリーン「あらあら、偶然って…あるものですのね。」信じようとしないのだった。
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