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「そんなんエイトのためやない。
ただ俺は、自分のためだけにエイトを引きとめようとしてたんや。」
…それはずっと胸に秘めてきたジョニーの後悔。
「自分のことばっかや・・・。
ホンマ俺ってガキやねんなぁ。」
今だって。突然こんなことを告げられてもガムだって困るだろうに。
…でも、止められなかった。
ジョニーは深く息継ぎをするように空を仰ぎ見た。
エイトにさよならを言って以来、ずっと下ばかり見ていたような気がする。
久しぶりの青空は、ガムの言うとおり雨上がりの済んだ空気越しに眩しくって遠くて。
自分がいる場所として相応しくない気がして、目を逸らした。
「…ごめんなぁ、朝からこんな暗い話。」
また新たな後悔がひとつ。ゆっくりと胸の中に降り積もる。
逃げるように、もう帰ろうか・といいかけた言葉は、ガムの落ち着いた声音に遮られた。
「ガキでええんとちゃう?」
「・・・え?」
「今はまだガキのままでええんとちゃう?」
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