5

4/4
前へ
/24ページ
次へ
「オトナになったら…、いつか俺らもひとりで全部やらなならんのかもしれん。 でも、今はまだええやん! ガキのままで。 ひとりで出来んことあるから仲間がいて、出来ることで助けおうて、みんなで一人前で、ええんとちゃうかな。」 「みんなで一人前…か。」 『だから、ひとりにならんでええんやで?』 そんなガムの言葉にしなかった声が聞こえた気がした。 強張った気持ちが心が融けてゆく…。 「…エイトもいつか…」 「ん?」 「エイトもいつか会えるんかな。」 「俺らみたいに?」 「俺らみたいに。」 一緒に前を向いて歩いてゆける誰かと。 背中を任せられる誰かと。 肩を並べて笑ってくれる誰かと…。 遠く離れたここから、そう願うことしか出来ないけれど。 …いつかきっと会えるから。 また、いつか。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

78人が本棚に入れています
本棚に追加