弐-望んだ非日常-

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朝になりすっと部屋に光が差し込む、結局土方は仕事をやり通して先程眠りに着いた所だった 「ん……」 桜咲澪はそんな部屋で起床した 周りを見渡してからホッと息を吐く 「夢じゃ、無い」 こういうのは殆ど夢落ち等が多い、昨日ももしかしたらこれは夢なのかも知れないと考えていた だが、目を醒ましてもまだ此処は土方さんの部屋だ 夢では無い、そう真実が告げる 「そう言えば土方さんは…」 俺が起きたのに何も言って来ないって事は寝てるのか? 仕切りの隙間から向こう側を少し覗くと、予想通り机に突っ伏して眠る土方さんの姿があった 今が正確に何時なのか解らないが、もうかなり外は明るい 起こした方が良いのだろうか…? 「………ん」 そうこう考えているうちに土方は目を覚ました 「もう朝かよ…ふぁ…あ」 大きな欠伸を一つ、そして立ち上がる 「おい、もう起きてんだろ?もうすぐ朝餉だが今の所はこの部屋で食べろ、入隊出来るかどうかは解らねぇからな」 「わかりました」 短く返事をすると髪を手櫛で整え結い直し、着物も軽く整える
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