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ぽかっ!
突然叩かれた。
下校途中のいつものおふざけ。
僕も軽くやり返す。
すると、さっきよりも、もっと強く叩かれた。
「何するんだよぉ」
少し腹が立つ。
またやり返した。
ぼかっ!
今度は殴られた。痛くて涙目になる。
文句を言おうと顔を上げると、更に拳が飛んでくる。
もう一人の友達も一緒になって殴ってきた。
僕は訳が分からない。とにかく少しでも避けようと頭を手で覆い、そこから逃げようとした。
でもその足を引っ掛けられ転けてしまう。
その上から容赦無く殴られ、蹴られた。
僕は泣きながら許しを乞うが、その攻撃が止む事はない。手加減すらなく、鈍い痛みと共に僕の身体の中から何か音が聞こえた。
それが、自分の骨が折れた音だという事に、不自然な方向を向いた自分の腕を見て気付く。
何故?
答えは無く、そこにあるのは暴力だけ。
足に、背中に、衝撃が走る。既に僕の身体は自分を支える事も出来ず、地べたに横たわっていた。
至る所に走る痛みに、自分の身体の何処が壊れていっているのか分からない。意識が混濁を始める。
身体の穴という穴から、何か生暖かいものが流れている。
頭に強い衝撃を感じ、僕は「ごぷ」と変な音を立てる。頭の中では「ぐしゃ」という音が聞こえたような気がした。
「あー、くそ! 汚れちゃったよ! 母さんに怒られるな」
「手、痛いし」
そんな文句を言いながら、赤黒い生ゴミのような物を残して少年達が立ち去っていった。
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