*夢なら…*

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今でも覚えてる。 麗さんからの電話。 私は 「もしもーし。どぉしたんですか?」 明るく出た。 ―えっ? 泣いてる? 様子がおかしい… 「どぉしたんですか?」 ………… 私は駆け出した。 駅に向かって、 神奈川に向かって、 ただ何も考えられず、 携帯を片手に向かってた。 克己先輩の所に… 『克己がバイクで事故に遭った… …克己が呼んでるの… 魅って…』 その言葉が頭の中を何回も何回もリピートしてた。 その後、どうやって病院に着いたかわからない。 入り口にいる麗さんを見て私は力が抜けたのか… 涙が止まらなかった。 克己先輩に会うのが怖かった。 その日は、 克己先輩に会うことができなかった。 私は幼かった。 自分の気持ちがついていかなくて泣くことしかできなかった。 麗さんと翔さんが傍にいてくれた。 泣きじゃくる私と 何も言わずにただ下を向く麗さん達… 夜が凄く長かった…
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