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克己先輩が亡くなってから私は何をするわけでも
考えるわけでもなく
『死』
から逃げるように
毎日遊んだ。
カラオケ、
飲み会、
………風俗。
私が行き着いた、
気を紛らわすための手段。
まだ夜の世界も厳しくなく身分証明書の提示もなかった。
18歳と言って私はソープで働いた…
何もかもどうでもよくて
この頃の私は
脱け殻のようだった。
そんな毎日を何となく送って、
私は高校へ入学した。
私は入学式早々先生に呼び出された。
理由は髪が茶髪というだけ…
『くだらない。』
そう思いながら
呼び出された場所へ行くと同じく呼び出された生徒が5人。
私はその中にいた
孝子と仲良くなった。
私達はクラスでは目立つ方で5人グループで一緒にいた。
私立の高校には似合わない
茶髪
ルーズソックス
ピアス
化粧
いつも職員室に呼ばれ、
違反のものは取り上げられ、
「ムカツクー!!」
と言いながらも楽しかった。
私達は、
クラスでも目立つ男子で
学級代表の 尾城くん
芸能人並みにかっこいい
春日 と
毎晩遊んだ。
中学校のプールに夜中に忍び込み
警備員に追われたり、
ラブホで
呑んで、しゃべって…
時には補導されて…
克己先輩を
少しずつ忘れていった。
この頃バイトしてた
ソープを辞め
友達との遊びに没頭した。
ーー入学して1ヶ月ーー
私の生活は
少しずつ堕ちていった。
理由は
私が春日と仲が良かった、ただそれだけ…
ただの嫉妬…
体操着がなくなったり、
上履きがゴミ箱に捨ててあったり…
今思えば幼稚なことだけど、
その頃の私は
ショックで、なんとも言えない気持ちだった。
仲良くしてた孝子まで
挨拶ひとつしなくなり、
「どうして?」
私の精一杯の問いかけにも答えてくれることはなかった。
悔しくて
ムカついて
悲しくて
寂しくて…
克己先輩を失ってから
初めて泣いた。
あのときとは違って
声を殺して泣いた…
1年の7月
私は学校を辞めた。
そしてまた
ソープに戻った…
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