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「小夜子、この人を風呂に案内してやってくれ。それに、お前の服も貸してやってくれ」
「うん。分かった」
小夜子が勢いよく返事をしたが、小春はそう言った俺の方を不安気に見詰めて来た。
その大きな瞳に涙をいっぱい溜めて
「安心しろ。疾風メンバーが必ず携帯を潰してくれる筈だから」
「族の……メンバーでしょ?信用出来ない」
「こいつ……」
クイクイと親指を立てて如月の方に向けて
「これでもその族の総長やってんだぜ。その総長が徴集掛けて下した命令は絶対に遂行される。警察に頼むより確実だと思うけど。だから、安心して風呂に入って来いよ」
「これでもは余計だろ?」
そう言いながら如月が軽く俺にパンチを出して来た。
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