出会い

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抱き上げた小春はまるで子供のように軽かった。女にしては背が高く大柄な小夜子を毎日見ているせいか、女ってこんなに小さな者なのかと思うほど華奢で、強く力を入れると壊れそうに思えた。 「ごめん……ちょっとだけ……」 廊下に出ると、お姫様抱っこ状態の小春が俺の首に腕を回してしがみ付いて来た。 「ごめん……震えが止まらない……何かにしがみ付いておかないと……震えが止んない」 まるで、泣きじゃくって、父親にしがみ付いている子供のように見えた。 「もう……大丈夫だから。少しずつ、今夜のことは忘れたほうがいい」 「う……うん。忘れる……忘れなきゃおかしくなりそう。服脱がされて、写メ撮られただけだから……」 「そうだ。そう言い聞かせればいい」 「最後まで強姦されたわけじゃ無いけど……ヒック……ヒック。でも……悔しい。あんな大人数で……力任せに……悔しい。みんなで笑いながら写メ撮って……」 俺の頬がしがみ付いている小春の涙で濡れる。
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