出会い

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「お兄ちゃん。これ、私が小学生の時に着ていた浴衣なんだけど……」 小春を風呂場に一人残して、如月のいる自分の部屋へと向かう途中、小夜子がそう言って浴衣を差し出した。 「浴衣? 幾らなんでも可哀相だろ?」 「う~ん。Tシャツとかあるんだけど、どれも皺苦茶だったり、洗濯していたり……」 「お前なあ。女なんだから、洗濯物くらい自分で管理しろ! イケメンとか騒いでいてもお前の汚部屋なんかに誰も来てくれないぞ」 「もう……またお兄ちゃんの説教が始まった。仕方ないじゃない。私、片づけられない女なんだから」 「イヤ、それは違う。片づけない女だろ?」 そう言ってやると、小夜子が頬をフグのように膨らませた。
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