出会い

2/25
前へ
/81ページ
次へ
一瞬だったが、俺の中の時間が止った。 その吸い込まれそうなほどの澄んだ瞳と視線が絡み合って、俺は初めて時間が止る瞬間を味わった。 一目惚れと言う話をよく聞くが、そんなものでは無かった気がする。 お互い見詰め合ったまま、動けなかった。 ただ、自分だけが相手に心を奪われたとかそんな類(たぐ)いでは無く、お互いが運命を感じ合っていた。 それが一之瀬小春との最初の出会いだった。 小春の隣にはいつになく神妙な面持ちの水野如月の姿があった。
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!

503人が本棚に入れています
本棚に追加