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一瞬だったが、俺の中の時間が止った。
その吸い込まれそうなほどの澄んだ瞳と視線が絡み合って、俺は初めて時間が止る瞬間を味わった。
一目惚れと言う話をよく聞くが、そんなものでは無かった気がする。
お互い見詰め合ったまま、動けなかった。
ただ、自分だけが相手に心を奪われたとかそんな類(たぐ)いでは無く、お互いが運命を感じ合っていた。
それが一之瀬小春との最初の出会いだった。
小春の隣にはいつになく神妙な面持ちの水野如月の姿があった。
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