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小夜子が手にしていた浴衣を着た小春が部屋のドアの前で立っていた。
髪の毛はまだ、生乾きで、少し火照った頬にサクランボ色をした唇が震えていた。
俺は立ちつくしたままの小春に近づいて、腕を取り
「ちょっと部屋を出てくれ」
如月の電話のやり取りを小春に聞かせまいと、強引に部屋の外へと連れだした。
「ねえ。計画的犯行ってどう言うこと? ちゃんと説明して?」
小春が瞳を見開いたまま、部屋のドアの前に立つ俺に詰め寄って来た。
嘘は言えないと思った。
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