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小春が携帯を閉じて、
「ありがとう。お母さんが迎えに来てくれるって。私の叔父さんがここに通っていたらしくて、場所は分かるって」
「叔父さん?」
「尾野正士って言うんだけど」
「尾野さんならよく、小さい頃から世話になってる」
「小さい頃から?」
小春がまた、目を見開いた。
「うん」
「あなた、物凄く落ち着いているから、小さい頃ってイメージ湧かないんだけど」
小春は俺と共通の知り合いがいて、少しだけ落ち着いたように思えた。
先ほどまで力が入っていたその小さな肩の力が幾分抜けたようだった。
俺の後にある部屋のドアが開いて、如月が出て来た。
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