如月の彼女として

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「せ……星夜君?」 保健室へと向かう途中、小春が薄らと眼を開いてそう言葉を掛けて来た。 「ああ。大丈夫か? 意識が戻って良かった。軽い脳しんとうだったみたいだな」 「うん。だから……大丈夫だよ」 「イヤ、足も怪我をしているようだから、このまま保健室へと運んでやるよ」 すると、小春がその細い腕を俺の首に回して、しがみ付いて来た。 「星夜君にこんなふうに抱っこされるの、二回目だね」 小春のまるで甘えるような仕草に、急に恥ずかしくなった俺は 「そう……だったか?」 と惚けた振りをした。
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