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「博士…また見てんですか?」海道スグルが声をかけてきた。
「………Ad2の濃度を上げたらどやろ…想てな」
「は?」海道が訝しむ。
「そんなことをすれば、ボディー内部が錆び付いてしまいます!」突飛なタイミングで女の声がして振り向くと、そこにはエーテル体の早瀬マリの姿があった。
「そうですよ、そんな無謀なコトしたら、機械組織へとんでもないダメージを与えてしまいます!」海道は勢いを増して抗議する。
「ま…お前らの言い分も解る…がの」橋場はそう言って苦虫を噛む。
「解るなら、どうして、」抗議の姿勢を休めない海道。
「ふ………ん、のう……」さすがの橋場も、熟慮の末の大反対に言葉を失う。
「そりゃそうです、この形になるまでどれだけの苦労したと思ってんですかっ」興奮は収まらない。橋場の思いつきと言える発言に、なかなか納得がいかない海道は、急に押し黙った早瀬のエーテルに目をやった。
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