プロローグ

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□イワクモ イワクモには幾つかの特徴があった。 強固な岩壁の内は、外観から想像も出来ないハイメタルの内壁に覆われ、285名の住民が暮らす一戸一戸は変動通路によってジョイントされた躯体であり、それらはランダムに分離するパズル構造体であるということだ。 緊急時には、ハイメタルの躯体がそれぞれ独立し、メトロトランスファーへと組み込まれる。母体であるエヴァーダへの吸収避難が可能なのだ。 セキュリティGシステムは外部からの侵入者を最高レベルで阻止している。住民を生命維持環境で網羅するのも、裏を返せば細かに制御管理された要塞国と言える。 生体組織反応は常時監視実行されており、セキュリティアの着脱の自由を特待遇でなければ許されてはいない。イワクモに居住する科学者などがそうだ。 彼らは研究所としてイワクモを使用し、橋場薫も科学者として研究に明け暮れる日々だった。110メートル地下には橋場の研究所があった。
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