吹き溜まりの群れ(B級再犯刑務所…)

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渋谷署からは何時も七、八名が押送バスに乗り込む、途中、他所の警察署に立ち寄って当日の新検者や検事調べ、公判に出る者をまとめて乗せて行く、渋谷は第三系統に当たり廻って行く、警察署は目黒、大崎、高輪署に立ち寄って霞ヶ関の庁舎に到着をする、各自、同行室に入れられる、同じ警察署から来た者同志は一緒の部屋には入れない、同行室に入って自分の順番が来るまで静かに待機をする、検事調べの時はこの場所で昼食をする、昼食は全員コッペパンを食べる、お茶はなく白湯の飲み放題となっている、当日早く終っている者で帰る警察が一緒の者が集合すれば第一便の帰りバスで帰れるが、そうでない場合は自分の居る警察署に帰って来るのは夜の七時過ぎになってしまう事が度々ある、夏は良いけれど冬の場合は外は真っ暗闇で心寂しくなる思いがする、留置場に戻れば今日の出来事に同部屋の者達の話に花が咲く、これは俺でなくても他の奴等が行って来ても同様な話題が起こる、俺も良く考えてみればこんな生活も、もう八回目となる、馴れと言うのか性格が適当なのか、
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