吹き溜まりの群れ(B級再犯刑務所…)

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この中に居てもあまり苦痛は感じなくなって来ていた、留置場のまずい飯も一粒も残さずに腹の中に放り込める、やっぱりこれも慣れなのか…この約三十年間で八回の逮捕とその度に刑務所に送り込まれている、まだ公判も終ってないから解らないけど多分俺の勘では、又刑務所送りに成ると解っている、今度は何年の刑を打たれるのかな?そんな事を考えている中に眠りについてしまう、これもこんな生活に馴れたと言う事かも知れない、朝起きると安い米の白米弁当が昇降口から人数分入れられ薄い味噌汁と一緒に梅干一個にたくわん二枚でそれを食べる、馴れるとこんな朝食も充分に美味しい、同部屋の者は別として俺の方は二十日拘留も打たれ検事調べもとんとんと進んで第一回目の公判の日が近づいて来た、法廷には俺の担当弁護士、まあ早く言えば国選弁護人と検事、それに裁判官に書記等の訳の解らない奴等が席に付いて俺はその正面に立たされて罪状認否を行う、俺は生まれてからの素直な性格上気持ち良く罪状を認めた、検察側は心の中で安心をした感じだった、弁護士ももう諦 めた様子で只無言のまま俺の帰延を見つめていた
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