吹き溜まりの群れ(B級再犯刑務所…)

16/226

315人が本棚に入れています
本棚に追加
/226ページ
何時もと同じだ、何てさむさむしい場所なんだろうと思った、間違いだらけの司法に背を向けて、又何時の様に押送バスに乗って渋谷署に戻って来た、ここも又何時もの様に話題は俺の裁判の結果話で盛り上った、そして、その二週間後に求刑が出され、又あの裁判官の冷酷無残な声が法廷一杯に響き渡った、そして次の週に判決も出た、求刑五年と聞こえた、ええ、何も奪ってはいない未遂事件でかよ、求刑五年笑わすんじゃねえよ、ちょっと多すぎるんじゃないのかなと本当に思った、そして又判決が言い渡された、求刑五年に対して三年四ヶ月と言われた、随分とまけてくれたものだ、未決通算日数二十日くれた、結局又懲役に行かなければならなくなった、三年三ヶ月と十日の懲役だ、まあ務め出せば三年位の年月はすぐに過ぎてしまう、そして俺は渋谷警察署から移送バスに乗って小菅にある東京拘置所に移監された、これが平成十五年二月の寒い十日の朝だった、東京拘置所の北舎の一舎三階の独居房の22房に放り込まれた、この拘置所に来たのもこれで八回目だ、相変わらず煩 い所で運動も鳥籠に一人で入れられて、
/226ページ

最初のコメントを投稿しよう!

315人が本棚に入れています
本棚に追加