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寒い寒い朝。 子犬たちは、自分たちの身体に積もった雪の冷たさで目を覚ました。 昨晩は、お母さんを呼びながら寝たため、喉が渇いている。 それに、お腹も空いた。 三匹は、お互いの上に積もった雪を食べようと試みた。 口に含むと、舌が冷たさで雄叫びをあげる。 しかし、そのあとで、水となって喉の渇きを癒してくれた。 そうと分かれば、もう、雪の冷たさなんか気にしていられない。 三匹は、かつがつ雪を口に運んだ。 漸く喉は潤った。 だが、お腹は相変わらず空いている。 いつもはお母さんのおっぱいと、それから、最近は離乳食を飼い主から貰っていた。 それらが恋しくて仕方ない。 もう一度、お母さんを呼んでみる。 ……返事はない。 三匹は、諦め、寒さを凌ぐために身を寄せ合った。
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