序 章* 蒼色の鬼

2/2
30人が本棚に入れています
本棚に追加
/207ページ
ある村に、"蒼色の鬼"と呼ばれる幼い子供がいた。 蒼色の髪に蒼色の瞳 強さは鬼をも超えると言われるほど。 蒼色の鬼には親がいない。 鬼を産み落とすと同時に命を落としたらしい。 鬼は最初、髪の色が黒だったそうだ。 だが、成長すると共に髪の色は蒼色に変化してきた。 その頃は、蒼色の髪は珍しかったらしい。 その為か、それまで鬼を世話してきた人達は蒼色の髪を見て、 "災いを呼ぶのではないか" ……そう、思ったそうだ。 災いを起きたら困る、そんな理由で鬼を殺そうと、 村の住民全員が鬼を襲ったけれど、鬼はやられまいと刀を手にとって村の奴らを全員、 殺してしまった。 人を斬る感覚を覚えた鬼は村を出た。 そして、襲って来る者どころか、通り縋った者までも殺してしまった。 ………そんな頃だった。 鬼が"あの人"に出会ったのは。
/207ページ

最初のコメントを投稿しよう!