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母が大学の同窓会で実家の方に帰っていた日に、父も飲み会で帰りが遅くなると言っていた。 母は次の日まで帰ってこないし、父は飲み会の日は帰宅が12時を過ぎるので一人でニヤニヤしながら一人きりの時間を満喫していた。 けれど21時ぐらいに家のインターホンが鳴って「もう帰って来たのか…」と残念に思いながらも 玄関を開けると知らないオジサン(タクシーの運転手)が困惑した表情で立っていた。 玄関のそばにはタクシーが一台。後部座席の所にはうずくまっている父がいた。 「きもちわるいよー、○○(母の名)ちゃん、きもちわるいよー」 と繰り返していた。 私と運転手で支えながら家の中に入れると運転手さんを母と勘違いしたのか 「○○ちゃん、ありがとうね」と唇にキスをした。 それをたまたま見てしまった近所の人は父のことを勘違いしてしまうし、タクシーの運転手は泣き出すしで大変だった。 父はその時も母と勘違いしていて運転手に抱き着こうとしていた。 母はちょうど見てしまった人から聞いたらしく、父に「今月は禁酒令」を出した。 父はお酒大好きな人なので、今のところいつも寂しそうにビールの缶やワインの瓶、焼酎などを見つめている。
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