冬の始まりの色

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2本目のワインを口にしながら多少酒の回った父と太一は再び会話を始める。 父『酒は強いのか?』 太一『弱くはないと思うけど』 父『じゃあ俺に似たのかもな。弟は全然ダメだ(笑)』 太一『あっそ。』 父『毎日飲むのか?何飲むんだ?』 太一『まぁ…焼酎…かな。あとはウィスキーか酒か』 父『ウィスキー飲めるのか。その年で。カハハハ…』 太一は何がおかしいのかわからない。プレートの上のクラッカーにチーズを乗せて口に運んだ。 くだらない質疑応答しているうちに二本目も空いてしまった。 父『予定はなかったんだよな?』 太一は時計を見ると20時を回ったところ。 内心何時まで飲む気だと思いながらも負けず嫌いな性格が仇となる。 太一『あぁ。』 父は立ち上がりコートを手にとる。 出るのか…と太一も立ち上がりダウンジャケットを着る。 父『次行くぞ』 太一『あ?』 父は伝票に自分のカードを挟むと店員に渡してトイレへと向かった。 太一は先に外に出る。 サインをした父もすぐに出てきた。
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