きっかけの色

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11月の下旬。 夜になれば早いところではちらほらとクリスマスに向けたイルミネーションが輝き始めている。 ある日の夕方、太一はお気に入りのグレーのスウェットパンツにグレーのパーカー姿、スーパーの駐車場で相棒のボンネットに寄り掛かりながらあったかいココアを飲んでいた 年内最後の仕入れを終え、商品を冷蔵庫にしまって夕飯の買い出しに来たが、時間が悪く買い物の主婦で混雑していてまた出直すか悩んでいた。 ぼーっとしていた太一の向かい側に初心者マークを付けた一台の軽自動車がとまっている。 その軽自動車に頭をお団子ヘアーにしたまだ高校生にすら見える若い女が買物袋を二つ、重そうに下げながら現れた。 鍵を開けて荷物を積み、頭から駐車された軽自動車のテールライトが光るとバックライトも光り出した。
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