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仁は、この研究所に来てから ずっと和也を観察していたが、和也は乱暴な子ではなかった。
いつも寂しそうな顔をして、大人たちを見ていた。
仁「ね、お前。和也って言うんだろ?」
ある日、仁は和也に話しかけてみた。
和也は突然話しかけられて、ビクっ!と肩を震わせた。
和「うん…。」
仁「お前、可愛いな。友達になろうぜ?」
和「え?」
この研究所に来てから、”可愛い”なんて言葉は、一度も言われた事がない。
むしろ”かわいくない子”と言われる事のが多い。
和「ボク…可愛くなんかないもん。」
仁「?可愛いよ?これからオレがお前の友達な?」
和「友達…?」
仁「うん!友達! オレは仁っていうの。」
和「ボク、和也…。」
その日から 仁と和也は いつも一緒だった。
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