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さっきまでうるさかった5人も何事かと振り返り、扉の方を見る。
そこには"見覚えのある"シルエットが2つあった。
「―――ひとちゃん、ホントに行くの~?」
「――行くに決まってんでしょ!今さら何言ってんのよ!」
(………あの、マジで帰っていいですか)
聞こえてくる声にどんよりしながら、俺は帰る(もとい逃げる)準備をわざとらしくした。
扉の向こうも静かになり、教室にいる全員の目線が扉にあつまる。
そして―――――
ガラッ―――…コツ、コツ、コツ、――
ツインテールをゆらし、背筋をピンと伸ばしながらズカズカとこっちへ来る先輩と、やっぱり常時笑顔なポニーテールの先輩。
無表情に近いツインテ先輩がピタッと止まる(もちろん俺の前で)。
道を作っていた男子生徒の目がいたい。とりあえず、何か声をかけないと――
バンッ
「私の名前は凉木一葉。ついでにこっちは双葉。それ言いに来ただけだから。」
――コツ、コツ、コツ、――――ピシャッ
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