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「そしたらもうひとつ教えて」 「なんです?」 「私をかばっていてくれていた男は?」 「その人かはわからないですけど、一人あなたの近くにいた方もあそこから救出はしました。他の方たちよりも重症でしたので」 「救出はしました?それって……」 「……私はさっき言ってくれたらできるだけすると言いました。聞きたいというのなら答えますが」 「……教えて、彼はどうなったの」 「亡くなられました。ここについた時にはもう既に……」 「なんでよ!彼は!あっ……ごめん」 この人は私を救ってくれた恩人なのについ声を荒げてしまった。けどこの人は私に微笑みかけてくれた。 「いいですよ」 「それで……殴られて殺されたの?」 「確かに殴られた痕はありました。けど、それが原因かはわかりません」 つまりそれは、他の傷があったということだ。奴らは多分武器らしいものを持っていなかった。 なら、それは彼の短刀によるものなのか、それとも……無我夢中で振るった私の爪なのか…… これを聞くのはとても恐ろしい。だが、私は知っておかなくてはいけないと思った。 「彼は自ら命を絶ったの?」 「……」 答えてくれない。いや、答えられなかったのだろう。たぶん、もうひと押ししたら教えてくれるだろう。ただ、その反応でわかった。
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