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「じゃあ、じいちゃんはそろそろ寝ようかのう」  湯呑をシンクに置くと、おじいちゃんはおやすみと挨拶をして 、部屋に戻って行った。  ……私も、早めに寝ちゃおうかなぁ。  まだ九時を回ったばかりなのに、今日はちょっと眠気があった。  自分でも気付かないうちに疲れが溜まっていたのかなぁと思いながら、二階にある自分の部屋に行く。  寝巻きにしている白のTシャツと水色の短パンに着替え、さぁ寝ようかと背伸びをしていれば、 『――もうすぐ』  ふと、どこからか、声が聞こえた気がした。  でも、周りを見ても音を発するものは無いし、ましてや誰かがいるなんてこともない。  外から、かなぁ……?  窓を開け辺りを見回したけど――やっぱり、それらしいものは見つからない。ただの気のせいだと思い、窓を閉めようとした途端、 『もうすぐ――始まる』  今度ははっきり、そんな声が聞こえた。  なんだろう? と思った瞬間、 「――――っ!?」  目の前が、真っ白に染まっていた。  瞬きしても、目を擦っても。  視界に映るものは、なにも無かった。
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