93人が本棚に入れています
本棚に追加
/567ページ
周りをよく見れば、そこは近所にある、小さな公園だった。
「なん、で……私、おかしくなった、の?」
頭を抱え、なぜ自分がここにいるのかと考える。
寝巻きで、しかも裸足のまま外に出るなんて……普通なら、こんな恰好で出歩くはずない。――だとすれば。
「……副作用、とか?」
思い付くのが、それしかなかった。
自分はたくさんの薬を飲んでるし、それならこうしてうろついてしまったのも、納得がいく。きっとそうなんだと結論付け、早く家に帰ろうと走っていれば、
「――――っ?」
走って数秒。途端、目の前が歪み始めた。
眩(くら)む意識の中、私は寝る前の薬を飲んでいないことを思い出した。
そんな状態で走れば、こうなってしまうのは当然のこと。
呼吸をするのも辛くなり、これはいよいよ危険だと、私は座れそうな場所を探し、ベンチを見つけるなり、倒れるように横たわった。
はや、く……帰らないと。
こんなところを見られたら、怪しい人だって思われる。
なんとか呼吸だけでも整えようと、大きく深呼吸を繰り返し、体力の回復を待った。
――――ドサッ!
どこからか、重たい音が聞こえた。
まるで上からなにかが落ちたような、そんな音。
最初のコメントを投稿しよう!