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 間違いではない、かもだけど……それがどうしてデートに結びつくか、私には謎でしかない。  というより、私にとってはデートそのものが初めてで、どう答えていいか困り果てていた。 「そんなにオレとデートするのイヤ?」  黙りこむ私に、少年は心配そうな様子で(本気なのか怪しいけど)聞いてくる。それに私は、さすがに言葉を返した。 「嫌、と言うか……なんでこんなことになるのか、わかりません」 「だから、お互いを知るためだってば。あ、オレのことは雅(みやび)って呼んでね?」  あの日が嘘のように、少年はとても優しい態度で接してくれる。警戒しているこっちが大げさなんじゃないかって思えてくるぐらい、その態度は違っていた。  無理やり引っ張りもしないし、適度な距離を保ってくれる。 「……じゃあ、ちょっとなら」  だからほんの少し、その誘いに乗ってみようかと、そんな気が起きてしまった。 「ラッキー! じゃあとりあえず、公園にでも行こうか」  途端、少年は私の手を握り、楽しそうに走り出す。  だ、ダメ! このままだとまた。  倒れてしまう、と頭を過り、慌てて少年に訴える。 「わ、私あまり走れっ」 「わかってる。美咲ちゃんが体弱いの、ちゃんと知ってるから」 「えっ?……なん、で」  返ってきたのは、なんとも意外な言葉だった。  名前はおろか、どうして体のことまで――?  意味がわからないまま、私は雅と名乗った少年に手を引かれ、ただついて行くしかできなかった。  *****  ――とある一室。  二人の男が、話をしていた。 「時期的にはありえる。だが……」  若い黒髪の男が、険しい表情を浮かべる。
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