距離感

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いつの間にか聞こえなくなった彼の泣き声に、立ち上がり中に入る。 ソファーの上で膝を抱えて眠る蓮。 そっと抱き締め、幾筋もの涙の痕を拭う。 「ごめんな、蓮」 いつも思う。 俺達の距離はどのくらいなんだろう。 蓮を一番よく知ってる。 蓮を一番愛してる。 でも、辛い時は傍にいない。 俺達はこの距離感が当たり前。 だけど、この距離がどのくらいなのかわからない。 「このままじゃダメ、だよな・・」 俺はまた、いつもと同じ言葉を呟いた。 end .
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