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いつも通り生徒会の仕事を終えてもう誰もいない廊下を一人歩く
陽が傾き始めていて外がオレンジなのもいつも通り
空っぽの教室を何となく覗きながら廊下を歩いていたら
「あ・・」
見慣れた人影が一つ、空っぽの筈の教室に見えた
「れ・・っ」
何だか嬉しくて名前を呼ぼうとした声は途中で消える
駆け寄ろうとした足も何故か止まっていて、ただただ目の前の彼に見とれてしまった
オレンジ色の光を浴びた彼にいつもの無邪気さは無くて
憂いを帯びる瞳には吸い込まれるような雰囲気があって
風に靡く髪からは目眩すら覚える色気が漂っていて
「――――っ」
息を呑んだ
時が止まるってこういう事をいうのか、何て冷静に納得しちゃったり
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