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俺が思ったことを率直に言えば、ポカンと口を開けて間抜けな顔をするキノ
滅多に見れないキノの顔を前に笑いを噛み殺していると、我に返ったように頭を振りだした
「はーっ・・危ない、呼吸の仕方忘れるとこだった」
「何、どうかした?」
「どうかした?じゃありませんよ!とんでもない爆弾発言しといて貴方よく平然としてられますね!」
私の方が焦っちゃったじゃないですか!
なんて騒ぎ出すキノ
でも俺には何の事だか全くわからないから
「爆弾発言なんかした?」
素直に問いかける
「自分で言っといて気付いてないんですか?貴方もう手の付けようが無いバカですね」
ていうか鈍感?
緑葉さんのがまだ話になりますよ
今度は呆れ返った顔で捲し立てるキノ
そこまで言わなくても・・
「あのね、紅さん」
項垂れる俺に降ってきた声はさっきまでと違って真剣で、促されるように顔を上げる
「蓮くんのこと、愛しいって言ったんですよ?」
目の前のキノは真剣な中にも優しさを含んだ瞳で、俺に言い聞かせるように言葉を紡ぐ
「それって、俺やリーダー、緑葉さんに向ける愛情と同じですか?」
そんなの、
「同じな訳ないだろ」
「じゃあ、蓮くんへの愛情と俺らへの愛情の違いは何ですか?」
「何って・・」
「逃げないで考えて下さい」
『どうして貴方は、蓮くんに冷たくしてしまうんですか?
』
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