紫陽花

しあわせ

「･･あ」

そこには、紅さんと仲良く手を繋いでいる緑葉先輩(って紅さんに教えられた)が写っていた

別に大した写真じゃないのにどうしたのか、と蓮くんに顔を向けてみれば

「蓮くん･･？」

大きな瞳に目一杯涙を溜めていた

「え、蓮くんどうしたの？」

泣いてるなんて思わなかったから、慌てて声を掛けてあげる

「紅くん、何かラブラブだね･･」

「え、」

「付き合ってるのかな･･」

「蓮くん、」

知らなかったの？という言葉が出かけたけどギリギリで飲み込む

あのバカ、何で蓮くんに言ってないんだよ

「キノ、どう思う？」

不安そうに瞳を揺らしながら問いかけられたら、ほんとの事なんか言えるはずがなくて

「･･どうなんだろうね」

曖昧な返事を返した

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