プロローグ

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その日はよく晴れた 王国の記念日だった 暑い砂浜を僕は歩いていた その日の海は穏やかだった よせてはかえす よせてはかえす 母親の鼓動のようなその音が僕は大好きだった 今日は大切な日だ およそ一年ぶりに父が帰省するのだ 父は腕のたつ剣士で、母の話では若い頃は青の騎士団にスカウトされた事もあるとか? 事実は定かではないが、僕は旧文明の遺産『魔法瓶』から冷えたお茶をカップに注いで飲んだ 空気はむしむしするが、もうすぐ約束の場所だ 僕は走り出した やがて砂浜から上り坂で、ゴツゴツとした岩場を走り抜けると墓碑がたっていた そこが約束の場所 ? 「よう、待ちくたびれたぜ、クレスト」 墓碑に少年がたっていた
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