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~第六話 白と黒の二重奏 前編~
騎士団長を無視して行った先は、白ノ騎士団の部屋ーつまりは、レビントの元である。
「成る程ね。
…まぁ、フレアが協力して欲しいっていうんなら、しなくはないけど?」
「ありがとうございます、レビントさん」
フレアは、ホッとしたような表情になり、頬を緩める。
それを見たレビントも、緩く笑みを浮かべる。
「それで?
あの堅物騎士団長を説得する為に、どんな任務を請け負ったの?」
騎士が自分の意見を通す時、大抵は無謀な任務を遂行することで、無理矢理通すのだ。
仲間を集める訳は、そこからきている。
「一週間後、王宮でパーティーがあるのですが、そのパーティーの参加者に、不審な人物がいるんです」
「?
不審者なら、さっさと捕まえたら良いんじゃないの?」
「…証拠がないんです。
パーティーなどで、女の身売りに手を貸しているらしいのですが…。
…その男を捕まえるのが今回の任務です」
「成る程、だいたいは分かったけど、どうやってパーティーに潜入するの?」
普通の、男爵や公爵のパーティーならまだしも、王族の出席するパーティーで騎士が参加することは、まずないと言って良い。
「だからレビントさんに協力して欲しいんです」
「…本気…?」
ー黒と白のパーティー。更なる疑惑が交差するー
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