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頭を和馬の手で押さえられ、私の唇には彼の唇が重なった。
目を閉じることも出来ずに、抵抗しようとしたが、彼の体はびくともしなかった。
「何すっ!」
彼の手を振りほどき、声を上げる。
「俺より背が低い。抵抗したって俺からは逃げられない。恵里は女だ。」
彼の顔は真剣だった。
どうしてそんな顔をしているのかも私には解らない。
ただ、自分の心臓が激しく動いていることはわかった。
「恵里のことが好きだ。中学ん時からずっと。」
彼に腕を引っ張られ、抱きしめられる。
言葉が頭から離れない。
「…急に、好き、って言われても、わかんないよ…。」
そして、何故か解らないけど、涙が溢れてきた。
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