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本人は、いたって真面目、顔面蒼白。
「夢だよ」って教えてあげたいけど、この間「夢じゃないもん」って号泣されちゃったからね。
今日は、ちゃんと逃げ切ってやろう。
可愛い未知のために。
俺は、階段を駆け上がると、親父の部屋のクローゼットへ向かった。
だって、お袋のクローゼットは足元までびっしり詰まってて、俺と未知の入れる場所なんてないし、俺のはウォークインだからね。
俺が親父の部屋のドアに手をかけた時、廊下の隅で如月が天を仰いだ。
如月、悪い。
未知のために頑張ってくれ!
俺は親父の部屋へ入ると、寝室へ続く扉を開けた。
如月のために、ここは開けておいてやろう。
俺にできる精一杯の優しさだよ。
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